まだひとの言葉にならない自然の言葉を、イーハトーブの野原から拾い集めたい。

澤口たまみは、絵本作家としてかがく絵本の文章を書き、盛岡大学短期大学部幼児教育科准教授として子どもと自然について教えています。また、宮澤賢治の後輩としてその言葉を読み解いてエッセイを書き、音楽家の即興演奏にのせて声にします。

◆最新刊 子ども向けのかがく読みものです。

●『いろんないきもの かぞくのカタチ』(たしろちさとさん・絵/福音館書店/2023年)

はじめて自分で読むいきものノンフィクションとして、言葉をぎりぎりまで削ぎ落しています。そのぶん、たしろちさとさんの絵が、感じるこころに寄り添ってくださいます。小学校へ上がる子どもたちへのプレゼントにもどうぞ!
1540円(税込み)

◆かがく絵本の仕事 絵本の仕事は30冊あまりになります。

●『どんぐりころころむし』(たしろちさとさん・絵/福音館書店/2022年)

こちらは拾ってきたドングリの実から、もこもこと出てくる虫たちを紹介しています。月刊「ちいさなかがくのとも」より、いちどペーパーバッグで出版されましたが、おかげさまでご好評をいただき、ハードカバーになりました。発売して2週間で重版がかかるという嬉しい1冊となりました。
990円(税込み)

●『はるのにわで』(米林宏昌さん・絵/福音館書店/2022年)

こちらは、絵をアニメーション監督で「借りぐらしのアリエッティ」などで知られた米林宏昌さんが描いてくださいました。目を凝らせば足もとにいる小さないのちの、大きな輝きに出会ってほしいという願いをこめています。
1760円(税込み)

◆エッセイの仕事 エッセイ作品は、主に宮澤賢治の作品を読み解いたものです。

●『自然をこんなふうに見てごらん 宮澤賢治のことば』(山と渓谷社/2023年)

宮澤賢治は、自然を見つめ、そこから得られた知見や思考を、独自の表現で言語化しました。さまざまに語られる賢治ですが、まだ人間の言葉になっていない「おはなし」を自然界から拾ってきて、ひとの言葉で書き記すことについて、紛れもない天才でした。この本では、自然にまつわる宮澤賢治の57の言葉をピックアップし、易しいエッセイを添えています。
2090円(税込み)

●『宮澤賢治 百年の謎解き』(T&K Quarrto BOOK/2022年)

宮澤賢治は1922年に相思相愛の恋をしており、恋人の名前を、いまで言うラップのように母音で韻を踏んだ言葉に隠しました。賢治の自然の言葉を読み解いてきた澤口ですが、その言葉を正確に読みとるため、恋にまつわる読み解きにもとり組みました。長いあいだ謎だった「クラムボン」とは「韻を踏む言葉を探す者」という意味の造語で、「恋する賢治自身」と読み解いています。
2420円(税込み)

◆賢治作品を音楽と朗読する試み

宮澤賢治は、自らの文学に「音楽」が必要だと考えていました。オルガンやチェロを学んでいたのは、自作の朗読に即興で伴奏を添えるためで、賢治はそれを「朗誦伴奏」と呼びました。澤口は演奏家の協力を得て朗誦伴奏を試み、「T&K Quattro MUSIC」のレーベルでオリジナルCDを制作しています。ていねいな作品解釈で、賢治の思いをいまに伝えたいと考えています。

●最新CD「グスコーブドリの伝記 THE LAST MESSAGE」

「グスコーブドリの伝記」は宮澤賢治が亡くなる前年に『児童文学』誌に発表した作品で、死期を悟った賢治の切なる願いが込められた作品です。わたくしどもは、賢治にとってたいせつなこの物語を、音楽CDにいたしました。
 
「グスコーブドリの伝記」は長編のため、上下巻に分けての制作となりましたが、2023年12月に発売した下巻は、ドラムに武田チャッピー治さん、バイオリンに太田惠資さんをお迎えして、現時点での最高の仕上がりと自負しております。

下巻ではありますが、1枚でもお聴きいただきたい内容のため、タイトルを「vol,2」ではなく「THE LAST MESSAGE」と変更いたしました。
宮澤賢治の作品をCDにする試みは、ひとまずこれでひと区切りといたします。

CDは一般発売はしておらず、わたしどもからの手売りのみとなっております。

CDは全13枚を制作いたしました。ここに紹介していない作品は、ネットショップをご覧ください。

お求めはBASEストアから承ります。

●心象スケッチ「小岩井農場」CD

宮澤賢治の恋の読み解きを続けるなかで、賢治が母音で韻を踏む言葉を重視していたことが判明してきました。韻を踏む言葉を音楽にのせるとなれば、現在のラップに非常に近い発想だったと思われます。そこで2022年に制作するCDでは、ビートに言葉をのせるラップの方法を一部とり入れて、エレキベースのビートを先に作曲したのちに、それに合わせて朗読をしています。

ドラムに武田チャッピー治さん、ピアノに佐々木浩平さんをお迎えして、音楽CDとして楽しめる仕上がりになっています。

CDは一般発売はしておらず、わたしどもからの手売りのみとなっております。

CDは全13枚を制作いたしました。ここに紹介していない作品は、ネットショップをご覧ください。

お求めはBASEストアから承ります。

T&K Quattro MUSIC 石澤由松(いしざわ・よしまつ)プロフィール

ベーシスト。昭和24年、岩手県北上市生まれ。学生時代、米軍基地での演奏のアルバイトに誘われたをことから、そのままプロとなる。セッションマン、スタジオミュージシャンとして、海外での演奏経験も多い。国内では、童謡から演歌、クラシック、ジャズ、ロックまで、ジャンルを問わず演奏する。テレビでは、ドリフターズの「8時だよ! 全員集合」でヒゲダンスを演奏していたほか、モーニングショーから深夜番組、「徹子の部屋」から「紅白歌合戦」まで、あらゆる番組に出演する。2018年より、宮澤賢治作品の朗読に音楽を添える活動を始め、T&K Quattro MUSICのレーベルでCDを自主制作する。岩手県盛岡市在住。

©Tamami Sawaguchi 無断転載を禁じます。