澤口たまみの仕事

 澤口たまみは、岩手大学農学部で応用昆虫学を学んだあと、虫や自然、宮澤賢治を題材にした随筆を書くようになり、1990年に『虫のつぶやき聞こえたよ』(白水社)で第38回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞したのを機に、作家として随筆および宮澤賢治論、絵本の文章を執筆。2023年からは盛岡大学短期大学部幼児教育科准教授として子どもと自然について教えているほか、宮澤賢治の作品を音楽家の即興演奏にのせて朗読します。

 澤口たまみのプロフィールおよび著作一覧は写真をクリックしてご覧ください。

◆宮澤賢治論

 当初は宮澤賢治の自然観を参考にしながら随筆を書いていましたが、2010年ごろ、宮澤賢治に知られざる相思相愛の恋人が存在したことを知、その恋がどのように作中に記されているのかを明らかにするために、本格的な読解にとり組むようになりました。

●『宮澤賢治 心象スケッチ十の旅』(岩手日報社/2024年)

音楽とともに宮澤賢治の作品を朗読してきた経験から、主に音韻に着目して、50編の心象スケッチを読み解きました。賢治の心象スケッチは難解だと思っておられる読者の方に、ぜひお手にとっていただきたいと思います。
1540円(税込み)

●『自然をこんなふうに見てごらん 宮澤賢治のことば』(山と渓谷社/2023年)

宮澤賢治は、自然を見つめ、そこから得られた知見や思考を、独自の表現で言語化しました。まだ人間の言葉になっていない「おはなし」を自然界から拾ってきて、ひとの言葉で書き記すことについて、賢治は紛れもない天才でした。この本では、自然にまつわる宮澤賢治の57の言葉をピックアップし、解説を添えています。
2090円(税込み)

◆かがく絵本

 絵本の仕事は2025年で40冊になります。

●『どんぐりころころむし』(たしろちさとさん・絵/福音館書店/2022年)

拾ってきたドングリの実から、もこもこと出てくる虫たちを紹介しています。月刊「ちいさなかがくのとも」より、いちどペーパーバッグで出版されましたが、おかげさまでご好評をいただき、ハードカバーになりました。発売して2週間で重版がかかるという嬉しい1冊となりました。
990円(税込み)

●『はるのにわで』(米林宏昌さん・絵/福音館書店/2022年)

アニメーション監督で「借りぐらしのアリエッティ」などで知られた米林宏昌さんが描いてくださいました。目を凝らせば足もとにいる小さな命の、大きな輝きに出会ってほしいという願いを込めています。
1760円(税込み)

◆児童書

 子ども向けの読み物も少し手がけています。

●『いろんないきもの かぞくのカタチ』(たしろちさとさん・絵/福音館書店/2023年)

はじめて読むいきものノンフィクションとして、言葉をぎりぎりまで削ぎ落しています。たしろちさとさんの絵が、子どもたちの心に寄り添います。子どもが健やかに育つには、安心して眠れる場所と食べものが必要なのだと、書いていて強く感じました。
1540円(税込み)

◆賢治作品朗読

 宮澤賢治は、自らの文学に「音楽」が必要だと考えていました。オルガンやチェロを学んでいたのは、自作の朗読に即興で伴奏を添えるためで、賢治はそれを「朗誦伴奏」と呼びました。澤口は演奏家の協力を得て朗誦伴奏を試み、「T&K Quattro MUSIC」のレーベルでオリジナルCDを制作しました。

●CD「グスコーブドリの伝記 THE LAST MESSAGE」

「グスコーブドリの伝記」は宮澤賢治が亡くなる前年に『児童文学』誌に発表した作品で、死期を悟った賢治の切なる願いが込められた作品です。この物語の後半を収録した「グスコーブドリの伝記 THE LAST MESSAGE」は、ドラムに武田チャッピー治さん、バイオリンに太田惠資さんをお迎えして、最高の仕上がりと自負しております。

●心象スケッチ「小岩井農場」CD

宮澤賢治は、早く生まれ過ぎたラッパーでした。そこで「心象スケッチ 小岩井農場」CDでは、ラップの方法に倣いエレキベースのビートを先に作曲したのちに、それに合わせて朗読をしています。ドラムに武田チャッピー治さん、ピアノに佐々木浩平さんをお迎えして、音楽CDとして楽しめる仕上がりになっています。

CDは全13枚を制作いたしました。一般発売はしておりません。詳しくは、ネットショップをご覧ください。

◆お求めはBASEストアから承ります。

◆ご依頼・お問い合わせ

 原稿執筆、講演、宮澤賢治作品朗読のご依頼、お問い合わせは、こちらからも承ります。

 T&K Quattro MUSIC / BOOK は、作家・澤口たまみと、ベーシスト石澤由松が、文学と音楽の融合したサービスを展開する自主制作レーベルです。

©Tamami Sawaguchi 無断転載を禁じます。